2020/04/08
4月8日はお釈迦様の誕生日とされる「はなまつり」です。
例年でしたら4月の第一土曜日に、ご縁ある赤ちゃんのお祝い「初参式」と併せて、はなまつりのお祝いをするのですが、今年は状況が状況だけにイベントはとりやめにいたしました。
門の前にお釈迦様の誕生仏を安置した「花御堂」(はなみどう)を置き、通る方々に美味しい甘茶も飲んでもらえるようにセッティングしておきました。立ち止まって休憩される方もチラホラおられました。
お釈迦様の誕生の時は、「甘露の雨が降り注いだ」という説話から、お釈迦様の誕生仏には甘茶をかけてお祝いします。
また、お釈迦様はお生まれになってすぐに七歩歩まれ、「天上天下唯我独尊」(天にも地にも後にも先にも、私の命はたった一度きりの尊いものである。)とおっしゃったという説話があります。
花御堂の中のお釈迦様は、その時の姿です。
ただし、本当に甘い雨が降って、七歩歩まれ、言葉を発せられたわけではありません。
お釈迦様が生涯をかけて何を伝えてくださったのか、という仏教の心を、先人方がこの説話に込めてくださっているのです。
「甘露の雨」は、お釈迦様の教えが「誰のための教えか」の例えです。
雨はどんな立場の人にも平等に降り注ぎます。つまり、生きとし生けるもの全てが本当に幸せになれる教えを説かれた方がお生まれになられたことを表します。
「生まれてすぐに七歩歩まれた」というのは、仏教の世界観である「地獄」「餓鬼」「畜生」「修羅」「人」「天」という「自分の中に作り出している迷いの6つの世界」を一歩超えて、「七歩目」に至ることを生涯を通して勧めてくださったことの例えです。
ものすごくかみ砕いていえば、「自分のことしか考えずに相手を傷つけてしか生きていけない6つの「迷い」の世界を一歩超えて、「悟り」の世界、つまり少しでも他者のために生き、他者の幸せや悲しみをわがことのように受け止めて生きる世界をめざして生きること」そんな生き方を生涯を通してすすめてくださった方が、お生まれになられたことを表します。
「天上天下唯我独尊」という言葉を発せられたというのは、前に書いた通り、たった一度の私の命の「有難さ」「尊さ」を一生をかけて言葉を通して伝えてくださった方がお生まれになられたことを表します。
コロナで慌ただしいですが、園庭に出ればのどかでとてもいい天気でした。
「甘茶美味しかった!」という園児も、「あんまりだった!」という園児もみんな誰かに大切に願われている、尊いかけがえのない全宇宙の歴史の中でたった一度の尊い命です。
違いを認め合える、本当の平和をめざして生きたいものです。<ひ>
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